2021.07.14
アパートの外壁塗装をすると入居率は上がる?費用相場と安く抑える方法を紹介!
アパートの外壁塗装を行うにあたり、費用や工事のメリットなどを詳しく知りたいと思われるオーナー様も多いでしょう。
実は、賃貸物件を探している方にとって、アパートの外観は入居を考える際のひとつの判断基準となります。
外壁塗装がきちんと行われていれば、アパートの清潔感が増して、入居者やお部屋探しをしている方へ好印象を与えられるでしょう。
そこで、こちらの記事では、アパートの外壁塗装がもたらすメリットや、工事の費用相場などをお伝えします。
外壁塗装の費用を抑えるコツも紹介するので、コストを軽減しつつ入居率を上げたい方はぜひ参考にしてみてください。
アパートの外壁塗装と入居率は関係ある?メリットを紹介
アパートの外壁塗装を行うと、次のようなメリットを期待できます。
・外観をきれいに見せられる
・建物の耐久性を維持できる
・カビによるアレルギーを抑えられる
・節電効果に期待ができる
アパートの外壁塗装を行うメリットについて、さらに詳しく解説していきましょう。
外観をきれいに見せられる
外壁塗装をする大きなメリットは、アパートの外観がきれいになることです。
建物は年月とともに外壁が汚れたり、色あせたりします。
外観をきれいに保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
清潔感のあるアパートは見た目が良いだけでなく、オーナーがきちんと管理をしているという印象を受けます。
アパートやオーナーのイメージアップにもつながるため、外壁塗装を行うと入居者の増加を見込めるでしょう。
建物の耐久性を維持できる
建物の耐久性を維持できるのも、外壁塗装のメリットです。
外壁塗装は、風や雨などから建物を保護する役割があります。
風や雨による建物への被害を軽減できれば、アパートの劣化を遅らせることが可能です。
また、外壁に使用する塗料には防水性の高いタイプもあります。
防水性が不十分な外壁は雨が染み込みやすく、シミや黒カビの繁殖につながります。
そのまま雨漏りを放置すると居室空間まで被害が広がるため、居住者は安心して暮らせません。
外壁塗装は外観の問題だけでなく、アパートの機能面を維持させるためにも重要です。
カビの発生によるアレルギーを抑えられる
外壁塗装は、カビによるアレルギー被害を防ぐことにもつながります。
古くなったアパートの外壁には、カビや藻が生えやすくなります。
外壁のカビを放置すれば、居住者がアレルギーを発症したり、健康に害を及ぼしたりする恐れがあるでしょう。
また、カビや藻はアレルギーの原因になるだけでなく、外壁の劣化にもつながります。
ひどいカビや藻が発生する前に、外壁塗装を行って予防しましょう。
節電効果に期待ができる
外壁に断熱塗料や遮熱塗料を選べば、暖房・冷房の効率が上がり、節電効果を期待できます。
断熱塗料は太陽光を反射して、室内の温度を快適に保てます。
遮熱塗料は、熱を室内に通しにくくしてくれるのです。
断熱塗料や遮熱塗料を利用すると塗装費用は高くなるものの、居住者は快適に暮らしやすくなるでしょう。
居住者の満足感が得られれば、退去率が下がる可能性もあります。
また、アパートの内見へ来た方にも「外壁の特殊塗料のおかげで室内が過ごしやすい温度となる」とアピールできます。
アパートの外壁塗装にかかる費用相場を紹介
仮に、約150坪の2階建てアパートに外壁塗装を行う場合は、費用相場は200~500万円となります。
外壁塗装の工事価格には、主に以下のような費用や料金が含まれています。
・足場代
・塗料代
・施工代
・業者の利益
それぞれどのような費用なのか、詳しく紹介していきましょう。
足場代
足場代には、主に以下の3つの作業に必要な費用が含まれています。
・足場材料の運搬
・設置作業
・解体作業
足場代は外壁塗装の費用全体のうち、約20%の割合を占めます。
アパートの外壁塗装には足場の設置が欠かせないため、足場代は必ず発生する費用です。
そのため、「足場代を無料にする」という業者がいた場合は、料金の水増しや手抜き工事をされる可能性があります。
悪徳業者に引っ掛からないためにも、足場代を含めて工事費用の内訳はよく確認するようにしましょう。
塗料代
外壁塗装で使用する塗料の代金は、工事価格のうち約20%の割合を占めるのが一般的です。
塗料は高い機能性を持っていたり、耐用年数が長かったりするほど単価が高くなります。
耐用年数が長いほど次の塗り替え時期を遅くできます。
そのため、長い目で見れば外壁塗装の費用削減につながるでしょう。
塗料の価格相場は、以下の表の通りです。
塗料 | 1平方メートル単価の目安 | 耐用年数 |
アクリル | 1,800~3,000円 | 5~7年 |
ウレタン | 2,100~3,100円 | 8~10年 |
シリコン | 2,700~4,100円 | 10~15年 |
ラジカル | 2,900~4,300円 | 14~16年 |
フッ素 | 3,700~4,700円 | 15~20年 |
単価がもっとも安い塗料は、アクリル塗料です。
しかし、耐用年数が短すぎるため、外壁塗装ではあまり使われません。
アパートの外壁塗装であれば、シリコン以上のグレードの塗料を選ぶのがおすすめです。
施工代
施工代とは、業者が工事をする際に必要な費用となります。
いわゆる人件費のため、職人の数が多い方が施工代も高くなるでしょう。
外壁塗装の費用のうち、施工代は30%程度の割合を占めています。
業者の利益
外壁塗装の費用には、塗料代や施工代のほかに、業者の利益となる金額も含まれています。
業者の利益は、営業に使う車両の維持費や事務所の家賃など、会社運営に必要な代金です。
しかし、中には不当な利益を上乗せする詐欺業者もいるため、相見積もりを行って工事価格を比較することが大切です。
相見積もりでは、複数社に見積もりを出してもらい内容を比較します。
相見積もりをすることで、適した工事価格を提示する業者を選んで工事を依頼できます。
アパートの外壁塗装をする際の施工の流れ
続いては、外壁塗装の流れや施工期間、それぞれの工事にかかる費用を紹介していきます。
アパートの外壁塗装の工期は合計で2~3週間ほどが目安となり、施工の流れは以下の通りです。
1.足場を設置する(1〜2日)
2.高圧洗浄をかける(1~3日)
3.下地処理をする(1〜2日)
4.養生をする(1日)
5.塗装をする(2~3日)
6.足場を解体する(1日)
なお、塗装工事は外壁の劣化状態や天候によって、工期が延びたり費用が高くなったりします。
以下で紹介する工事の流れは、順調に施工が進んだケースとしてご覧ください。
足場を設置する(1〜2日)
外壁の塗装工事では、まずは足場を設置します。
足場の設置にかかる費用相場は、1平方メートルあたり600~800円です。
アパートのように高所の外壁塗装をきれいに仕上げるためには、足場の設置が必須です。
また、足場の設置により作業する職人の安全性も確保されます。
高圧洗浄をかける(1~3日)
足場を設置したら、高圧洗浄を行います。
塗装前に外壁の汚れをしっかりと落とすと、塗料と下地の密着性が上がり、きれいな塗装面を長く維持できるのです。
塗装面の耐久性が長く維持されれば、次回の外壁塗装までのスパンが延びます。
高圧洗浄を丁寧に行うことで、結果的にアパートのメンテナンスにかかるコストを削減できるでしょう。
高圧洗浄にかかる費用相場は、1平方メートルあたり200~300円です。
下地処理をする(1〜2日)
続いての工程は下地処理です。
下地は塗料を塗る土台となるため、きれいに整備してから塗装すると仕上がりに違いが出ます。
下地処理の際は、外壁の継ぎ目となるシーリングも補修します。
シーリングが劣化すると雨漏りの原因になるため、外壁塗装と一緒に修繕が必要です。
シーリング補修にかかる費用相場は、1平方メートルあたり500~1,200円となります。
養生をする(1日)
下地処理を終えたら、塗装しない箇所に塗料がつかないように養生します。
養生中は窓を開けられなかったり、エアコンが使えなかったりする場合があるため、居住者へあらかじめアナウンスしておきましょう。
養生にかかる費用相場は、1平方メートルあたり300~500円です。
下塗り・中塗り・上塗りをする(2~3日)
養生後は、いよいよ外壁へ塗料を塗っていく作業です。
外壁塗装は、一般的に以下の3工程で行います。
・下塗り
・中塗り
・上塗り
塗装作業の際は、工程ごとに塗料を乾燥させる時間が必要です。
しっかりと乾燥させないまま工程を進めてしまうと、塗料が剥がれやすくなったり仕上がりが汚くなったりします。
そのため、3工程すべての塗装を終えるまでは2~3日程度かかると考えておきましょう。
足場を解体して工事を終了する(1日)
外壁の塗装が終わり、全体的に問題がないかを確認して足場を解体します。
足場を解体すればアパートの外壁塗装はすべて完了です。
外壁塗装の費用を安くして外観をきれいにする方法
外壁塗装の費用を少しでも安くする方法は、以下の4つです。
・補助金や助成金を利用する
・梅雨や冬の時期を選ぶ
・屋根塗装を一緒に行う
・相見積もりを行う
外壁塗装の費用を抑える方法を、それぞれ詳しく解説していきましょう。
アパートの外壁塗装を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
補助金や助成金を利用する
補助金や助成金を利用することで、外壁塗装にかかる費用を安くできる場合があります。
お住まいの地域の自治体で「住宅改修補助金」や「住宅リフォーム資金助成」といった制度がないか調べてみましょう。
住宅の改修やリフォームを行う際に受け取れる助成金があれば、外壁塗装も補助の対象になる場合があります。
なお、助成金は年度初めに募集を開始するケースが多いです。
先着順で募集が早くに終了してしまう恐れもあります。
外壁塗装を予定している場合は、早めに補助金や助成金について調べておきましょう。
梅雨や冬の時期を選ぶ
梅雨や冬に外壁塗装を依頼すると、業者によっては価格交渉に応じてくれる場合があります。
梅雨は雨が多く、冬は霜や結露によって作業が進みにくい時期です。
そのため、梅雨や冬の時期は外壁塗装の依頼が少ない傾向にあります。
しかし、冬でも気温が6度以上で湿度が85%より低い環境であれば、外壁塗装は行えます。
費用を抑えるなら、梅雨や冬を狙って外壁塗装を検討してみましょう。
ただし、天候や状況によっては工期が延びる恐れがあります。
工期の延長で居住者にストレスを与えやすくなる点は考慮しておきましょう。
屋根塗装を一緒に行う
外壁塗装と一緒に屋根塗装を行うと、別々で工事するよりも費用を抑えられます。
外壁塗装と屋根塗装はどちらも足場代がかかります。
そのため、2つの工事を別々で行うとそれぞれ足場代を払わなければいけません。
2つの工事を同時に依頼することで、1回分の足場代を浮かせられます。
さらに、外壁と屋根の塗装を同時に行えば、アパートの居住者や近隣住民へ負担をかける回数も減るでしょう。
外壁塗装はおよそ10~20年、屋根塗装は約10年でメンテナンス周期となります。
そのため、タイミングを合わせて2つの工事を同時に行うことは可能です。
外壁と屋根の塗装工事を同時に行って、コストと手間の削減を図りましょう。
適正価格を知るために相見積もりを行う
相見積もりをすると、適正価格で工事を行う業者に依頼できます。
外壁塗装の費用は業者によって差が大きく出るため、相見積もりは必ず行いましょう。
ただし、安すぎる業者は正しい量の塗料を使用しなかったり、施工ミスが発覚したりする可能性があります。
見積価格の安さだけで業者を選ばないようにしましょう。
アパートの外壁塗装における色選びのポイント
外壁塗装で使用する塗料の色選びを失敗しないためのポイントを紹介します。
選ぶ色によっては、入居率に影響が出る可能性があります。
外壁の色を選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。
・万人受けする色を選ぶ
・近隣の建物に合わせて色を選ぶ
・汚れにくい色を選ぶ
外壁塗装の色選びのポイントについて、さらに詳しく解説します。
特に、はじめてアパートの外壁塗装を行うという方はぜひ参考にしてみてください。
万人受けする色を選ぶ
アパートの外壁の色は、万人受けする無難なカラーだと間違いありません。
アパートはさまざまな人が住む集合住宅のため、馴染みのない色を選ぶと居住者の好みに合わない場合があります。
人によっては「目立つ色は好きじゃないから入居はやめておこう」となり、入居率に影響を与えかねません。
万人受けするベージュや明るいグレーなど、ベーシックカラーを選ぶと良いでしょう。
近隣の建物に合わせて色を選ぶ
アパートの外壁は、近隣の建物に合う色を選ぶのもおすすめです。
近隣がシンプルな建物の中で派手な色を選んでしまうと、周囲の外観から浮いてしまいます。
景観ガイドラインが厳しい地域もあり、違反するとアパートへのクレームが起こる恐れもあります。
そのため、外壁は周囲の建物と調和のとれる同系色や基調色がおすすめです。
汚れにくい色を選ぶ
汚れにくい色を選ぶと、アパートの外観をきれいに保てます。
特に、汚れが目立ちやすい白や黒などの外壁は、すぐに汚染されてしまいます。
汚れが目立つ外壁は、実際よりも古い印象を与えることになるでしょう。
また、短いスパンでの外壁の洗浄に費用や手間がかかることにもなります。
アパートの外壁には、クリームやグレーといった汚れが目立ちにくい色がおすすめです。
アパートの外壁塗装を行う際のベストなタイミング
アパートの外壁塗装をするなら、春か秋がもっとも適しています。
春や秋は空気が乾燥しており、塗料が乾きやすい時期です。
そのため、短い工期で外壁塗装ができます。
ただし、春に外壁塗装する際は引越しが多い3~4月は注意が必要です。
工事の最中に、入居する方の引っ越し日が重なる可能性があります。
引っ越し作業の邪魔にならないように、注意や配慮をするようにしましょう。
アパートの外壁塗装を行う際に注意した方がいいポイント
アパートの外壁塗装を行う際、注意したいポイントが2つあります。
・入居者と近隣の住民に告知をする
・アパートの塗装に慣れた業者を選ぶ
それぞれのポイントを、以下で詳しく解説します。
アパートの居住者と近隣の住民に告知をしてトラブルを避ける
外壁塗装がはじまる2週間~1ヶ月前に、遅くとも1週間前にはアパートの居住者や近隣住民へ工事について告知しましょう。
外壁塗装の最中は、居住者や近隣住民に次のような影響が出ます。
・窓が開けられなくなる
・塗料の臭いがする
・塗料が飛沫する場合がある
・工事の音が気になる
告知せずにいきなり工事をはじめると、クレームが入る可能性があります。
トラブルを避けるためにも、業者と一緒に工事内容や施工中の影響について説明して回りましょう。
アパートの外壁塗装に慣れた業者を選ぶ
工事の依頼先は、アパートの外壁塗装に慣れている業者が望ましいです。
家族で暮らす戸建て住宅とは違い、アパートにはさまざまなタイプの方が暮らしています。
居住者の生活リズムも異なるため、集合住宅の対応に慣れていない業者だと、クレームが出やすくなるでしょう。
アパートの居住者や近隣住民への配慮をきちんと心得ている業者を選ぶことが大切です。
アパートの外壁塗装を行う際は住民への配慮と業者選びに注意しよう
適切に外壁塗装を行うと、アパートの外観がきれいになるだけでなく、建物の防水性も上がります。
外観がきれいなアパートは管理が行き届いている印象を与えて、入居率の向上を期待できるでしょう。
ただし、外壁塗装をクレームなく完了させるためには、アパートの居住者や近隣住民の理解が必要です。
アパートの外壁塗装に慣れている業者なら、居住者や近隣住民へきちんと配慮しながら作業を進められます。
アパートの外壁塗装の実績確認や、相見積もりを行った上で信頼できる業者を選びましょう。
外壁塗装をする際の会社選びについては「大規模修繕の工事業者はどう選べばいい?会社の選び方や注意点を徹底解説!」で詳しくチェックしてみてください。