2021.07.15
工場の外壁塗装で得られる利益とは?塗装工事の費用相場や塗料を紹介
外壁塗装と聞くと、「建物の外観を美しく保つために行うもの」といったイメージはないでしょうか。
確かに民家やマンションの場合は、住宅の見栄えを良くする目的が大きいです。
しかし、工場の外壁塗装では、企業の利益につながるさまざまなメリットがあります。
こちらの記事では、工場の外壁塗装によって得られる利益や、工事費用の相場などを紹介します。
工場の外壁塗装によって得られるメリットを紹介
工場の外壁塗装を行うメリットは、主に3つです。
・建物の資産価値を維持する
・企業イメージを向上させる
・雨漏りリスクをなくして労災を防ぐ
工場の外壁塗装を行うことにより、従業員の働きやすい環境を作ったり、建物の劣化を遅らせたりできます。
企業利益にも関係するメリットなので、以下でさらに詳しく解説していきましょう。
建物の寿命を延ばして資産価値を維持する
工場の外壁塗装は、建物の寿命を延ばすことにつながります。
建物は年月とともに劣化が進み、資産価値が下がっていきます。
特に、外壁は常に紫外線や雨風にさらされるため、劣化の進みが顕著です。
しかし、塗装を行うと外壁の保護ができて、雨や風による被害を防ぎやすくなるでしょう。
定期的にメンテナンスすることで、建物自体の寿命を延ばして工場の資産価値を長く維持できます。
見た目をきれいにして企業イメージを向上する
工場の見た目をきれいにしておくと、企業のイメージアップを図れます。
もし、外壁にひび割れやサビが発生した工場を見た方は、どのような印象を抱くでしょうか。
「古びた工場だな」「手入れするお金がないのかな」と思われる可能性も否めません。
工場の外壁をきれいに塗装することは、企業の信頼性を保つことにつながるのです。
また、外壁塗装の際に断熱効果のある塗料を使用すれば、CO2削減にも貢献できるでしょう。
環境問題への取り組みをアピールできるため、企業に対してさらに好印象を持ってもらうチャンスになるでしょう。
雨漏りリスクをなくして労災を防ぐ
外壁塗装を行えば、工場で雨漏りが発生する可能性を減らして、スリップ事故が起きる確率を低くします。
外壁塗装を怠ると、工場内へ漏水して、濡れた床で従業員が転倒する可能性があるでしょう。
そのため、防水性に優れたタイプの塗料を選んで塗装すれば、工場内への浸水を防ぎやすくなります。
労働災害のリスクを減らすためにも、工場の外壁塗装は定期的に行いましょう。
建物の劣化を放置して起こりうる被害
建物の劣化を放置しておくと、具体的には以下のような問題が生じると考えられます。
・建物内部への悪影響
・企業価値の下落
工場や倉庫は規模が大きく、気づかない間に建物の劣化が進行している場合があります。
応急処置では対応できなくなる前に、早めに外壁の塗り替えを行うことが大切です。
それでは、外壁の劣化を放置するとどのような被害が起こるのか、以下でそれぞれ詳しく解説します。
建物内部への悪影響
外壁の劣化によって発生する問題で一番怖いのが、工場内部への悪影響です。
具体的な悪影響としては、以下のような被害が工場内で起こる可能性が高いです。
・鉄筋がサビる
・工場内の設備が壊れる
・商品が濡れる
設備の買い替えや商品の廃棄などが必要になった場合は、企業は大きな損害を被ってしまいます。
大きな出費を避けるためにも、外壁塗装を行い建物の劣化を放置しないようにしましょう。
企業価値の下落
工場の外観が劣化していると、企業価値の下落へとつながる恐れがあります。
見た目が汚れていたり廃れていたりする工場は、経営状況に不安を抱かれやすいです。
経営状況に不安を持たれるのは、取引先にとっても印象が良くありません。
企業価値を下落させる要因があるなら、積極的に取り除くのが望ましいです。
そのため、外壁塗装は「企業の売上にも関係する必要性の高い工事」と言えるでしょう。
工場に外壁塗装と屋根塗装を行った際の費用相場
工場の塗装工事にかかる費用相場は、建物の規模や塗料のグレードなどによって大きく異なります。
また、工場では外壁と屋根の塗装を一緒に行う場合があります。
ここでは、工場の外壁塗装と、屋根塗装のそれぞれの費用相場を解説しましょう。
工場の外壁塗装を行った際の費用相場
工場の外壁塗装は、塗料の種類や施工範囲によって費用相場が変わります。
仮に、100坪の工場の外壁塗装を行った場合の費用相場は、以下の通りです。
塗料の種類 | 耐用年数 | 費用相場(100坪) |
シリコン塗料 | 10~15年 | 約200~300万円 |
遮熱塗料 | 5~15年 | 約200万円 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 約240~270万円 |
耐用年数が長い塗料を使うほど、費用相場は高くなるのが一般的です。
上記3種は工場の外壁塗装におすすめの塗料なので、後ほどそれぞれの特徴を詳しく紹介します。
工場の屋根塗装を行った際の費用相場
工場の屋根塗装にかかる費用相場は、塗料のグレードと屋根の種類によって変わります。
屋根の塗装面積が広いほど、工事費用も高くなる傾向です。
工場の屋根は、ギザギザしていたり波打っていたりと、凹凸のある形状が多いです。
そのため、実際の屋根の塗装面積は、上から見た面積に「塗装係数」という数値を乗じて計算します。
屋根の種類ごとに塗装係数は変わるため、以下の表を確認して参考にしてみてください。
屋根の種類 | 屋根の特徴 | 塗装係数 |
大波スレート屋根 | 波打っている形状 | 1.15 |
洋風コンクリート瓦 | 瓦を敷き詰めている形状 | 1.2 |
折板屋根 | ギザギザした形状 | 1.3~1.7 |
例として、100平方メートルの大波スレート屋根の塗装面積を計算してみましょう。
【(屋根面積100平方メートル)×(塗装係数1.15)=塗装面積115平方メートル】
塗装面積に対して、使用する塗料の単価をかければ大体の費用がわかります。
具体的な屋根塗装の費用については、業者に見積もりを依頼して確認するのが確実です。
工場の外壁塗装と屋根塗装にかかる期間
工場の外壁と屋根の塗装にかかる期間は、1~2ヶ月程度です。
ただし、塗装期間は工場の規模によって変動するため、あくまで目安と考えておきましょう。
塗装工事を行う時期は、事前に従業員へ周知しておくのがおすすめです。
工事中は職人が屋根の上を歩いたり、工場の敷地内を出入りしたりします。
塗装工事の最中も工場が稼働するのであれば、従業員と職人のどちらもが円滑に作業を進められることが大切です。
そのため、従業員には塗装工事を事前に告知して、工場での作業に支障が出ないようにしましょう。
工場の外壁塗装(屋根塗装)の流れ
工場の塗装工事は、一般的に以下の流れで行います。
1.足場の設置
2.高圧洗浄
3.下地調整・ケレン作業
4.養生
5.下塗り・中塗り・上塗り
6.足場の解体
中でも特に重要なのが、サビを落とすケレン作業の工程です。
ケレン作業では、屋根や外壁についたサビを徹底的に落とします。
サビが残ったままだと塗料が十分に密着せずに、塗装面の耐久性が悪くなります。
特に、工場の屋根はサビやすい折半屋根が多いです。
そのため、工場の外壁や屋根塗装ではケレン作業は欠かせません。
工場の外壁と屋根の塗り替え時期
工場の塗装工事を考えるタイミングは、主に3つあります。
・塗料の耐用年数が近づいてきたとき
・工場の外壁に劣化症状が現れたとき
・防水効果といった機能が欲しいとき
塗り替え時期を過ぎても塗装工事をしなかった場合、工場への水漏れが発生する可能性が高いです。
工場内で水漏れが発生すると、従業員の転倒事故や生産性の低下などの実害が出る恐れがあります。
建物の塗り替えを検討する時期について、さらに詳しく紹介していきましょう。
塗料の耐用年数が近づいてきたとき
外壁や屋根に使用している塗料の耐用年数が近づいたら、塗り替えのタイミングです。
塗料の耐用年数が近づくと、塗装の剥がれや外壁の劣化症状があらわれやすくなります。
塗料の耐用年数は長くても15~20年程度です。
塗料のタイプによって耐用年数は異なります。
もし、工場にどのタイプの塗料が使用されているかわからない場合は、前回の塗装に関する書類を確認してみてください。
または、施工業者に問い合わせてみましょう。
工場の外壁に劣化症状が現れたとき
工場の外壁に劣化症状があらわれたら、塗り替え時期のサインです。
外壁は劣化すると、以下のような症状があらわれます。
・ひび割れ
・剥がれ、浮き
・サビ
・チョーキング
チョーキングとは、白っぽい粉が塗装面に出てくる現象です。
塗料に含まれる顔料が、雨や紫外線の刺激によって粉末状態になってしまいます。
どの劣化症状も、目に見えてわかりやすいです。
工場の外壁に上記のような症状が見られたら、早めに外壁塗装を行いましょう。
防水効果や断熱効果などの機能が欲しいとき
工場内の環境を良くするために、外壁に防水効果や断熱効果が欲しいときも塗装を検討するタイミングといえます。
防水効果や断熱効果などの機能は、外壁の塗装によって付加できます。
雨水が工場内へ浸入するのを防ぐためには、防水性の高い塗料を使用しましょう。
また、遮熱塗料や断熱塗料を使用すれば、室内の温度を維持しやすくなります。
工場内の気温や環境が改善すれば、電気代が減って経費の削減につながったり、従業員も働きやすくなったりするでしょう。
工場の外壁塗装(屋根塗装)におすすめな塗料を紹介
続いて、工場の外壁塗装におすすめの塗料を3タイプ紹介していきます。
・シリコン塗料
・フッ素塗料
・遮熱塗料・断熱塗料
それぞれの塗料の特徴を以下で詳しく解説しますので、塗装工事を検討中の方はぜひ参考になさってください。
シリコン塗料
シリコン塗料はシリコン樹脂を主成分にしており、塗装面に汚れが付着しにくいといった特徴があります。
また、夏場の暑さ対策のために遮熱性が欲しい場合は、遮熱シリコン塗料も選べます。
シリコン塗料はコストパフォーマンスが高く、工場の外壁塗装におすすめできる塗料です。
フッ素塗料
フッ素塗料は、フッ素樹脂を主成分としており、耐久性や親水性、防カビ性などに優れています。
そのため、汚れにくい外壁に仕上げられます。
工場の周辺は汚れやすい環境である場合が多いです。
そのため、フッ素塗料は工場の外壁や屋根の塗装におすすめです。
また、耐用年数が15~20年と長いので、次回の外壁塗装までのサイクルを長くできます。
トータルで考えると外壁塗装の回数を減らせるため、結果的にコスト削減につながるでしょう。
フッ素塗料もシリコン塗料と同じく、遮熱性能を付加した「遮熱フッ素塗料」があります。
遮熱塗料・断熱塗料
最後に紹介するのは、遮熱塗料・断熱塗料です。
工場の外壁に遮熱塗料や断熱塗料を使用することで、工場内の室温を快適な温度に維持しやすくなるでしょう。
遮熱塗料は太陽の熱を反射するため、夏場の室内の気温上昇を抑えられます。
断熱塗料は、熱の伝導を遮断して、工場内の室温を一定に保つ効果を期待できます。
塗料の効果で工場内を適温にできれば、電気代の節約が可能です。
工場で遮熱・断熱塗料を利用した際の効果とは?
遮熱塗料・断熱塗料を利用すれば、工場内の気温を快適に保ちやすくなります。
それでは、遮熱塗料・断熱塗料によってどの程度の効果を期待できるのでしょうか。
遮熱・断熱塗料の中でも代表的な塗料の「ガイナ」を例に解説していきましょう。
なお、ガイナは遮熱・断熱効果に加えて、防音や空気清浄などの効果も期待できます。
シリコン塗料に比べて耐久性も高いため、工場の外壁塗料として非常に優秀です。
断熱塗料「ガイナ」で工場に塗装を行った際の事例を紹介
屋根塗装でガイナを用いた工場では、塗装前と塗装後で夏の電気代を最大50%削減できた事例があります。
ガイナを塗装した工場の屋根は折半屋根であり、塗装面積は1,300平方メートルです。
ガイナでの施工前後を比べると、電気代は10年間で合計820万円安くなっています。
工場の2階の室内温度は15度も低下して、エアコンの稼働数は4台から1台に減りました。
また、ガイナは耐用年数が15~20年と長いのも嬉しいポイントです。
断熱塗料を利用した際の費用対効果とは
遮熱塗料・断熱塗料は工事費用が若干高くても、電気代の節約に期待ができます。
工場の稼働にはさまざまなコストや維持費用がかかるため、会社の利益を考えると経費削減をすることは重要です。
また、遮熱塗料・断熱塗料の使用は経費の削減だけでなく、従業員の生産性を向上させることにもつながります。
夏場は工場内の気温が上がりやすく、暑い中での作業は従業員の体力を削ります。
従業員が快適に働ける環境が整えば、作業効率が上がりやすくなるでしょう。
外壁の遮熱塗料・断熱塗料は、経費削減と生産性の向上における観点でもおすすめです。
工場の外壁塗装を行う際に注意するポイント
工場の外壁塗装にて注意しておきたいポイントは、以下の3つとなります。
・相見積もりを行う
・自社施工の業者に依頼する
・施工前の工事挨拶を徹底する
3つのポイントをもとに外壁塗装を行えば、企業が損失を被るリスクを抑えられます。
それぞれのポイントについて具体的な内容を説明しましょう。
相見積もりを行う
外壁塗装を依頼する際は、複数の施工業者へ見積もりをとるのがおすすめです。
相見積もりを行うことで、外壁の塗装工事の適正価格がわかります。
ただし、価格が安い業者が必ずしも良いとは限りません。
価格が安すぎる業者は、手抜き工事や施工ミスが発生する恐れがあるためです。
手抜き工事では塗装回数を少なくされる場合があります。
手抜き工事をされると、塗料の元々の耐用年数よりも早く塗装が剥がれてしまったり、劣化したりするでしょう。
また、価格以外の検討ポイントとして、工場の外壁塗装の実績が豊富かどうかチェックしてみましょう。
施工実績が少ない業者に依頼すると、作業の進み具合が遅くなり、余計に費用がかかってしまう場合があります。
業者選びを間違うと工事全体に支障が出やすいため、相見積もりをとってよく検討してみてください。
自社施工の業者に依頼する
自社施工の業者へ依頼すると、外壁塗装にかかるコストを抑えられます。
工事の一部分を外部委託する業者の場合は、中間マージンが発生して費用が高くなりやすいです。
例えば、塗装は自社で行い、足場の設置・解体を専門業者に委託するというパターンもあります。
しかし、自社で足場を組み立てられる塗装業者であれば、設置や解体にかかる費用を抑えられます。
工場の外壁塗装の工事費用を抑えたい場合は、施工はすべて自社で行う業者を選びましょう。
施工前の工事挨拶を徹底する
外壁塗装の施工前に、工場の近隣住民への挨拶を徹底して行いましょう。
近隣住民へ事前に挨拶をしておくことで、工事中にクレームを受けにくくなります。
工場の外壁塗装では、約1~2ヶ月にわたり工事の騒音や塗料の臭いなどが発生します。
何の挨拶もなく工事がはじまることは近隣住民にとってストレスであり、企業のイメージダウンになりかねません。
工事説明を事前に行って、工場の近隣住民とのトラブルを避けることが重要です。
近隣住民への挨拶に行く際は、工事の日程表を持参するとスムーズに説明できるでしょう。
工事の技術的な質問にも答えられるように、施工業者の担当者と一緒に挨拶回りをするのが理想的です。
工場の外壁塗装は遮熱・断熱塗料で作業効率を高めよう
工場は定期的にメンテナンスすることで、長く稼働できる環境を整えられます。
外壁塗装は、雨漏りリスクを軽減して、工場内でスリップ事故や設備の破損などを防ぎやすくなります。
また、遮熱塗料や断熱塗料を外壁塗装に使用すると、工場内を快適な室温に保ちやすいです。
快適な作業環境は従業員の生産性を向上して、室温調整にかかっていた電気代も大幅に削減できます。
工場の外壁塗装は経験や技術力が求められるため、施工実績が豊富な業者へ依頼しましょう。
外壁塗装をする際の会社選びについては「大規模修繕の工事業者はどう選べばいい?会社の選び方や注意点を徹底解説!」で詳しくチェックしてみてください。