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2020.11.10

マンションの大規模修繕工事の費用はいくらかかる?相場や足りない場合の対処法などを解説!

マンション 大規模修繕 時期29

マンションの大規模修繕工事を計画する際、一番気になるのは「費用」ではないでしょうか。
マンションの大規模修繕工事となると、莫大な費用がかかることは予測できても、だいたいいくらくらいになるかわからないという方も多いです。

また、大規模修繕工事の際に費用が不足しているマンションの割合は、34.8%にもなります。
費用が足りない場合、満足いく工事ができません。
費用の不足を避けるためにも、費用相場を把握して、しっかりと積み立てなければなりません。

この記事では、マンションの大規模修繕工事の費用相場や、費用が足りない場合の対処法などを詳しく解説していきます。
大規模修繕工事の費用に不安をお持ちの方は、ぜひこの記事を参考にして、費用不足にならないための対策を練っておきましょう。

マンションの大規模修繕工事の費用相場

マンション 修繕 費2

国土交通省が発表している「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、大規模修繕工事の費用相場は1戸あたり約81~100万円です。
床面積では、1平米あたり11,931~13,096円ほどが目安となっています。
マンションの戸数や床面積から、だいたいの費用が算出できます。

ただし、修繕箇所や劣化状況、業者によって工事価格は異なるため、実際にかかる費用は相場よりも多少上下する場合があります。

マンションの規模別にかかる費用相場

ビル 外壁塗装1

マンションの規模別に、大規模修繕工事でかかる費用相場を紹介していきます。
「小規模マンション」と「大規模マンション」での費用相場を解説するので、ご自身のマンションの規模に合わせて工事価格をチェックしてみてください。

小規模マンション

小規模マンションとは50戸以下のマンションを指します。
40戸のマンションの場合、大規模修繕工事の費用相場はおよそ3,240~4,000万円です。
入居者数は少ないですが、かかる費用は数千万円と多くなります。

大規模マンション

大規模マンションとは、100戸以上のマンションを指します。
200戸のマンションの場合、大規模修繕工事の費用相場はおよそ1億6,200万円~2億円です。
大規模マンションの場合、工事費用は億を超える場合がほとんどです。

そのため、大規模修繕工事に向けてしっかりと費用を積み立てておく必要があります。

マンションの大規模修繕の工事別にかかる費用相場

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マンションの大規模修繕の工事別にかかる費用相場を、それぞれ解説していきます。
大規模修繕で行われる主な工事内容は、以下の4つです。

・防水工事
・外壁工事
・仮設工事
・設備工事

40戸の小規模マンションの場合、防水関連工事は650~800万円、外壁関連工事では780~960万円が費用相場です。
また、仮設工事では620~770万円、設備関連工事では180~220万円が費用相場となります。

マンションの修繕費の目安の算出方法

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マンションの修繕費の目安は、「建物の専用床面積と1平米あたりの修繕積立金額」から算出できます。
建物の専有床面積に対する修繕積立金の月額平均値は、マンションの階数と面積の大きさによってそれぞれ異なります。
15階未満のマンションの場合は、 建築延床面積別に以下の3つに分けられます。

・5,000平米未満は218円
・5,000平米~1万平米は202円
・1万平米以上では178円

20階以上のマンションの場合、 建築延床面積に関係なく206円です。

例えば、15階未満で建築延床面積が6,000平米のマンションの場合、居住予定の部屋の専有床面積が100平米であれば、ひと月の修繕積立金の目安は20,200円となります。
また、機械式駐車場があるマンションの場合、駐車場の修繕費も追加しなければなりません。

駐車場の修繕費の目安は、【駐車場1台分に対する修繕費×駐車台数×住戸の負担割合】で算出できます。
機械式駐車場の機種ごとの1台当たりの月額修繕費は、以下のようになります。

・2段(ピット1段)昇降式:7,085円
・2段(ピット2段)昇降式:6,040円
・3段(ピット1段)昇降横行式:8,540円
・4段(ピット2段)昇降横行式:14,165円

住戸の負担割合は、マンション全体と居住予定の部屋の専有床面積の割合から計算されることが多いです。
マンションの専有床面積が6,000平米で、居住予定の部屋が100平米の場合、住戸の負担割合の計算式は100÷6,000≒0.0167(約1.67%)となります。
2段(ピット1段)昇降式に車60台を駐車するマンションの場合の駐車場の修理費は、7,085円×60台×0.0167=7,099.17円となり、月額でおよそ7,100円です。

このように、マンションの大規模修繕工事の費用の目安は、建築延床面積や専用床面積から算出されます。

修繕積立金とは

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修繕積立金とは、マンションの大規模修繕に向けて積み立てられる修繕費のことです。
マンションは快適な居住空間や資産価値を長く維持していくため、定期的な修繕が必要となります。

しかし、マンションの修繕には莫大な費用がかかるため、あらかじめ修繕費を積み立てておかなければなりません。
修繕費を積み立てる際は、修繕工事の実施時期に合わせていくら必要となるかを計算します。
積立方法を誤ると、修繕費が不足して工事が満足に行えないという事態になるため、マンションの状態に適した方法で積み立てていかなければなりません。

修繕積立金の積立方法

マンション 修繕 費6

マンションの大規模修繕には欠かせない、修繕積立金の積立方法を紹介します。
修繕積立金の積立方法には、以下の3つがあります。

・均等積立方式
・段階増額積立方式
・修繕積立基金

それぞれの積立方法と、メリットやデメリットを詳しく解説していきます。

均等積立方式

均等積立方式とは、マンションの大規模修繕にかかる推定の累計工事価格を、積立期間で均等に割る方式です。

均等積立方式のメリットは、月々の修繕積立金の額が変わらないため、計算しやすく管理しやすいことが挙げられます。
マンションの居住者にとっても、修繕積立金額が上がらないことは、家計をやりくりする上で安心できるポイントのひとつともいえます。
また、積立金額の変更や増額に対するマンション居住者への説明会や合意の手間がかからないことも、均等積立法式のメリットのひとつです。

デメリットは、マンションの新築時から積立金額が高めであることが挙げられます。
マンションを購入した居住者にとっては、購入資金を支払った直後から徴収される高めの修繕積立金が負担となってしまう場合もあります。

段階増額積立方式

段階増額積立方式とは、段階的に修繕積立金の額を引き上げていく方式です。

段階増額積立方式のメリットは、マンションの新築時には修繕積立金額が低いため、購入者にとって負担が少なくなります。
購入時の負担が少ない場合、マンションの購入を検討している方にとっては手が出しやすくなるため、入居率の向上にもつながります。

デメリットは、段階的に修繕積立金額が上がっていくため、計算や管理が難しくなることです。
また、修繕積立金の滞納も起きやすくなります。
修繕積立金の金額が上がると、振込額を間違ったり、支払いが難しくなる居住者が増えたりします。

マンションの大規模修繕工事では、修繕費が不足する場合が多いです。
そのため、必要に応じて積立金を引き上げる段階増額方式を採用しているマンションが多いですが、デメリットも考慮して徴収していかなければなりません。

修繕積立基金

修繕積立基金とは、新築マンションの購入者が入居前に支払う修繕金です。
修繕積立一時金とも呼ばれます。
大規模修繕工事はおよそ12年を周期に行われますが、地震や火災などの予期せぬ事態に備えて、あらかじめ一時金を集めるマンションが増えています。

修繕積立基金のメリットは、あらかじめ大規模修繕工事の修繕費がいくらか確保できることです。
デメリットは、修繕積立基金の設定額を誤ると、大規模修繕工事の際に費用が不足してしまうことです。

大規模修繕工事の際に費用が不足しないためにも、修繕積立基金の額はよく検討しなければなりません。
それでも足りない場合は、下記の対処法を参考にして対応するようにしましょう。

マンションの大規模修繕工事の費用が足りない場合の対処法

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修繕費を積み立ててきても、いざ工事をしようとする際には不足している場合があるため、以下のような対処法で対応しなければなりません。

・修繕積立金を値上げする
・一時金を徴収する
・金融機関から借り入れる
・工事を延期する

それぞれの対処法と、メリットやデメリットを詳しく解説していきます。

修繕積立金を値上げする

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大規模修繕工事の費用が足りない場合、マンションの居住者が毎月支払っている修繕積立金の額を値上げして、不足分を補填する方法があります。
値上げする際には、管理組合の総会決議が必要です。

修繕積立金を値上げするメリットは、居住者に大きな負担をかけることなく修繕費を確保できることです。
デメリットとしては、値上げする額によっては大きな負担となり、居住者から反対意見が出てしまうことでしょう。
居住者が納得するように、丁寧かつ明確な説明を行わなければなりません。

また、月々の修繕積立金を値上げして修繕費を補填する際、必要な額を確保するのに時間がかかることを覚えておきましょう。
大規模修繕が数ヵ月後に行われる予定のマンションの場合、修繕積立金を値上げして修繕費を補填することは難しいです。
ほかの方法を検討しましょう。

一時金を徴収する

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修繕費が足りない場合、不足額を一時金として居住者から徴収する方法もあります。
不足額をマンションの戸数で割って、居住者に請求します。

メリットは、短期間で修繕費の不足額を確保できることです。
デメリットは、一時金の徴収を反対される可能性があることです。
また、管理組合の総会決議で可決されても、一時金の支払いを拒否する居住者が出てくることもあります。

一時金は居住者にとってはかなりの負担となります。
徴収期限を長く取ったり、分割での支払いを可能にしたりするなど、いくつか対策を考えておかなければなりません。

金融機関から借り入れる

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マンションの居住者からの修繕費の補填が難しい場合は、金融機関から借り入れることも視野に入れておきましょう。
金融機関から借り入れる際も、管理組合の総会決議が必要となります。
ただし、居住者の合意が必要な修繕積立金の値上げや一時金の徴収に比べると、スムーズに可決されやすいです。

メリットは、不足している修繕費の確保がほかの方法に比べてスピーディーに行いやすいことです。
ただし、借り入れたお金に金利がかかるため、返済方法を考えなければならない点がデメリットとなります。

銀行から借り入れたお金と金利の返済は、修繕積立金を値上げして行われることが一般的です。
居住者にとっては、今後の修繕積立金が値上げされることになります。
しかし、大規模修繕工事までに時間がないマンションの場合は、不足額を迅速に確保できる方法としておすすめです。

工事を延期する

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修繕費が不足している場合、最終手段として工事を延期することも考えなければなりません。
工事を延期した場合、修繕費が足りないために発生する施工不良やトラブルを防げるでしょう。
しかし、工事を延期する分、修繕すべき箇所が悪化して建物に悪影響を及ぼす可能性は高いです。

まずは工事を延期しなくていいように、修繕費の確保ができるように努めましょう。

マンションの大規模修繕工事にかかる費用をできるだけ抑える方法

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マンションの大規模修繕にかかる費用をできるだけ抑える方法を、紹介していきます。
大規模修繕工事は、およそ12年周期で今後も継続して行われます。
マンションの修繕には多額の費用がかかるため、できるだけ出費を抑えて次回の工事に回したいとお考えの方も多いでしょう。

マンションの修繕費用をできるだけ抑える方法は、以下の5つです。

・複数社から見積もりを取る
・中間マージンを削減する
・工事内容を見直す
・定期的にメンテナンスを行う
・施工実績の多い専門業者に工事を依頼する

それぞれの方法の内容を、以下で詳しく解説していきましょう。

複数社から見積もりを取る

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施工業者に依頼する際、複数社から見積もりを取って工事価格を比較するようにしましょう。
複数社の工事価格を比較することで、予算に合った金額で工事を発注できます。

ただし、あまりにも金額が安い施工会社の場合、手抜き工事をされてすぐに再工事が必要となるケースもあります。
すぐに再工事が必要となれば、その分費用がかかるため、修繕積立金の損失となるでしょう。
工事価格が高額な施工会社への依頼は避けたいですが、安すぎる業者にも注意が必要です。

中間マージンを削減する

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大規模修繕工事の費用を抑えるためには、「中間マージン」をできるだけ削減することです。
中間マージンとは、管理会社が大規模修繕の施工業者を選定する際、贔屓にしている業者に依頼することで得られる仲介手数料から発生する利益のことです。

余分な中間マージンを支払わないようにするためには、業者の選定を管理会社に任せっきりにせず、こちらからも意見を述べるようにしましょう。

工事内容を見直す

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大規模修繕の工事内容を見直すことで、費用を抑えられます。
見直す工事内容は、主に足場の設置方法です。

外壁塗装では、足場を設置しないブランコ工法という工事方法があります。
塗装場所によりますが、足場の設置費用が抑えられるので、工事費用が安くなります。
しかし、建物の造りによっては工事方法を変更できないため、見直す際には施工会社とよく相談することが大切です。

定期的にメンテナンスを行う

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建物を定期的にメンテナンスすることで、修繕費を抑えられます。
普段から建物のメンテナンスをしておくと、劣化スピードを遅らせたり破損を防いだりできます。
劣化や破損が少ないと、大規模修繕の際に工事の手間が省けるでしょう。

反対に、普段からメンテナンスをしていないマンションの場合、大規模修繕の際は工事内容と工期が大幅に増加する可能性が高いです。
工事内容が増えて、工期も長くなれば、その分修繕費は高くなります。

可能な範囲で、定期的にマンションをメンテナンスするようにしましょう。

施工実績の多い専門業者に工事を依頼する

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マンションの大規模修繕の施工実績が多い専門業者に工事を依頼することで、施工不良を防いで費用を抑えられます。
施工実績が多い業者であれば、適切な工事を施してくれますし、ノウハウや技術力もあるため失敗が少ないです。
工事の失敗がなければ、追加で修繕費用を支払う必要がありません。

施工会社を選ぶ際は、マンションの大規模修繕工事の実績の開示をお願いするようにしましょう。

マンションの大規模修繕は専門業者に依頼して費用を抑えよう

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マンションの大規模修繕工事にかかる費用は、小規模マンションでも数千万円、大規模マンションとなれば1億円以上かかります。
大規模修繕はおよそ12年周期で行われるため、費用をしっかりと確保できるように積み立てていかなければなりません。

また、大規模修繕工事の費用をできるだけ抑えるためには、施工不良を防ぐことが大切です。
大規模修繕工事の施工実績が豊富な専門業者に依頼するようにしましょう。