2020.03.19
屋根の欠陥商品

こんにちは。マルキペイントの代表の及川です。
外壁塗装・屋根塗装の豆知識ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は屋根の欠陥商品についてお話いたします。
1.屋根欠陥商品の種類
屋根材で欠陥商品になっているものがあります。こういった商品は、基本的に塗替えが出来ません。正確に言うと、塗装をすることは出来ますし、塗膜保証も出来ますが、商品自体が破損等しますので、消費者からすると、全く意味のない買い物になってしまうということになります。 最近ですと、ニチハのパミールはスレート瓦の欠陥商品の代表になっておりますがその他にも、弊社で調べたものがありますのでご参照ください。メーカー | 屋根材 | 症状 | 備考 |
---|---|---|---|
セキスイ | かわらU | 表面が腐食したかのように色褪せ 先端部が崩れてボロボロに ひび割れの発生 | 1970年にアスベストを含む商品を発売開始 ノンアスベスト商品の先駆けとして、 かわらU(ノンアスベストバージョン)を 1990年8月発売開始、販売期間23年弱 40年以上の歴史があるが、2013年に販売を停止 その後積水化学工業は屋根材の開発販売事業を撤退 既存屋根を撤去・処分し、 新しい屋根瓦に葺き替えが最善策 |
ニチハ | パミール | ミルフィーユ状に剥離 層間(そうかん)剥離… 上塗と下塗が密着しない 反り上がり、脱落、ズレなど | 1996年販売開始、2008年に販売を停止、販売期間12年弱 パミール用釘についてはリコールの対象 メーカーとしては経年劣化による屋根材の傷み として処理したい 高圧洗浄を行うと屋根がボロボロになる 基本的に塗装不可 |
松下電工 | レサス | ヒビ割れ、欠け、 反り上がり、欠片の脱落など 人が屋根に上ると 「パキッ」と乾いた音がする | 1999年販売開始、2003年販売停止、販売期間7年弱 販売期間が3年弱と最も短い 最悪割れた欠片が歩行者やクルマに 当たってしまう恐れがあるため、非常に危険 基本的に塗装不可 |
シルバス | 上記レサスと同じ (グレードはレサスの ワンランク上) | レサスの高級品として、 2001年販売開始、2006年販売停止 | |
クボタ | コロニアルNEO(グリシェイドNEO) | ヒビ割れ、欠け、 欠片の脱落、希に反り上がりなど | 2001年4月販売開始 カラーベストの代名詞ともいえる屋根材 | アーバニー (アーバニーグラッサ) (ニューアーバニー) | 屋根材の割れ、ヒビ割れ、欠け、 欠片の脱落など | 2001年12月販売開始、2005年販売停止、販売期間4年弱 発売当時はクボタのカラーベストシリーズの最上級グレード あくまでも原因のひとつとして、アーバニーへの塗装工事後の縁切り作業は不要ですが、 縁切りが原因で屋根材の割れを誘発している。 |
ザルフ (ザルフグラッサ) | 反り上がり、 ヒビ割れ、欠け、 欠片の脱落、層間剥離など | クボタの屋根材としては珍しい「層間剥離」が起きている。 |


ニチハ パミールの写真
ミルフィーユ上に剥がれてしまいますので、塗装を行っても下から剥がれてしまいます。


クボタ コロニアルNEO アーバニーの写真
クボタの屋根材は、ひび割れが多く出ます。多少であれば問題ありませんが、屋根に乗り簡単に割れてしまうものは、欠陥の商品になります。
2.屋根欠陥商品の対処法
欠陥商品の屋根については、全て塗装での対応はダメだと考えて下さい。「塗装工事で大丈夫」とか「保証します。」というのは、あり得ません。
基本的にスレート瓦であれば、ガルバリウムカバー工法が一般的です。ガルバリウム鋼板は強度もあり軽いものですので、おススメです。予算的には大きさにもよりますが100万円前後となります。
3.屋根欠陥商品を利用した悪徳業者の増加
残念ですが、欠陥商品の屋根に漬け込んだ悪徳業者が多くいます。 塗装業者の場合、先ほども言いましたが、「塗装工事で大丈夫」「塗装で保証します。」といいます。これは仕事欲しさにこういった嘘を言う業者が本当に多いです。 もし、数年後問題が起きたとき、こういった業者は間違いなく逃げます。もしくは、「弊社は塗膜保証は致しますが、下から剥がれたものに対しては保証対象外です。」こういった回答になるのは予想が付きます。 私どもは物理的に無理なものに保証をすることは、当たり前ですが出来ません。 また、逆のパターンもあります。 屋根の張替え工事を得意としている業者は、「この屋根パミールですから張替えが必要です。」と言ってきます。実際私どもが屋根に上ってみると、パミールでは無かったということがあります。
塗装工事より工事金額が上がりますので、悪徳業者とすれば嘘をついて、高額なものを売りたいということでしょう。
嘘をついて消費者の弱みに付け込むようなランクアップ工事のやり方は、良い業者とは言えません。
4.悪徳業者を見分ける方法
昔からリフォーム業界は悪徳業者の代名詞のようになっていますが、インターネットが普及し情報が簡単に取れるようになった現在でも、この業界の悪徳業者は一向に減る余地がありません。
今回の欠陥屋根で悪徳業者に騙されない方法は、数社、見積りを取ってみてください。そこで、何社か「この屋根材は欠陥商品です。」といえば間違いなく欠陥商品屋根ですので、張替えやカバー工法で安心した工事を行ってください。