2020.12.04
サイディング外壁の補修はいつするべき?ベストなタイミングや施工方法についてチェック!
サイディング外壁は、耐用年数が30年ほどと長いですが、経年劣化により補修しなければならない時期がきます。また、サイディング外壁は定期的に補修してメンテナンスすることで、耐久性や耐用年数の維持ができます。
この記事では、サイディング外壁を補修するベストなタイミングや施工方法、普段のメンテナンス方法などを解説していきます。住宅を劣化から守るためにも、サイディング外壁の補修についてより詳しくなりましょう。
1.サイディング外壁を補修するタイミング
サイディング外壁を補修するべきタイミングや工事周期は、主に以下のようなときです。
サイディングに割れや欠けなどの破損が発生した
シーリングが劣化した
塗膜が剥離した
チョーキングが発生した
以前の塗装から10年が経過した
それぞれのタイミングについて、具体的にどのような症状や状態となったときに補修するかを解説していきます。
また、サイディング外壁の補修工事を施行する季節はいつがベストかも説明します。
1-1 サイディングの割れや欠けなどの破損
サイディングが割れたり欠けたりして破損している場合、雨漏りや白アリの発生の原因となるため、早めの補修が必要となります。一見割れや欠けの状態が深刻でなさそうでも、内部まで破損している可能性があります。補修する際は、専門業者に相談するようにしましょう。
1-2 シーリングの劣化
シーリングがひび割れたり剥離したりしている場合は、雨水が住宅内部に入り込む恐れがあるため、早めの補修が必要です。シーリングの耐用年数は10年ほどが一般的なので、劣化具合を見て適宜補修しなければなりません。
1-3 塗膜の剥離
外壁の塗膜は、紫外線や雨風などの影響を受けると、経年劣化して徐々にはがれてきます。塗膜が剥離すると、美観を損なうだけでなく、防水機能が低下してしまいます。防水機能が低下すると雨漏りの原因となるため、再塗装して補修しなければなりません。
また、塗膜が剥離していなくても、塗料の耐用年数に合わせて塗り直しする必要があります。アクリル塗料の耐用年数は6~8年ほど、ウレタン塗料は8~10年ほどです。シリコン塗料はおよそ10~15年、フッ素塗料は15~20年ほどと耐用年数は長いです。
外壁塗装に使われている塗料の耐用年数をチェックしておくようにしましょう。
1-4 チョーキングの発生
外壁にチョーキングが発生していると、塗膜の劣化が進んでいるということになります。チョーキングとは、塗料に含まれている顔料が粉状になって外壁の表面に現れる現象です。外壁を手で撫でたとき、指に白い粉が付けばチョーキングが発生していると言えます。
チョーキングは美観を損なうだけでなく、住宅の劣化を早めてしまいます。再塗装して補修しなければなりません。
1-5 前回の塗装から10年経過している
外壁の塗膜の耐用年数や、シーリングの経年劣化の影響があるため、およそ10年ごとに補修することでサイディングの耐久性を維持できます。しかし、塗膜やシーリングの劣化症状が激しい場合には、10年を待たずに補修する必要があります。
1-6 施工するのに適した季節
サイディング外壁の張り替え工事は、どの季節に施工しても大きなトラブルは起きにくいです。ただし、シーリングを施工する際は乾燥期間が必要なことや、雨や強風の日が続くと工事が中断してしまうことから、台風の時期は工事を避けた方がベターです。
また、冬の大雪の時期も作業が困難となるため、工事の依頼は避けるようにしましょう。施工するのに適した季節はいつかと言えば、台風や雪の影響が少ない春と秋です。
2.サイディング外壁の補修方法
サイディング外壁に起こりやすい、以下の3つの劣化症状別に補修方法を解説していきます。
サイディングの破損
シーリングの劣化
塗膜の劣化
それぞれの補修方法を知っておくことで、工事の際にどのような施工が行われているか理解しやすくなるでしょう。
2-1 サイディングの破損
サイディングが破損した場合、補修方法は破損箇所によって異なります。サイディングの破損には、主に以下の2つの症状があります。
ひび割れ
欠けや反り
サイディングにひび割れが発生した場合、シーリングで補修します。シーリングとは、弾力性や密閉性がある充填(じゅうてん)剤です。外壁材の隙間に注入することで、ひび割れた箇所をふさいで雨水の浸入を防ぎます。
サイディングのひび割れの幅が0.3ミリメートル以下の場合は、緊急性が低いためすぐの補修は行わなくても大丈夫です。ただし、1ミリメートルを超えるひび割れの場合、住宅内部にも影響している恐れがあるためすぐに補修しなければなりません。
また、サイディングが欠けたり反ったりしている場合は、シーリングでは補修できないため「張り替え」や「重ね張り」工事が必要となります。
2-2 シーリングの劣化
シーリングが劣化した場合、補修方法には「打ち増し」と「打ち替え」の2つの方法があります。それぞれの方法について、具体的にどのように行うか解説していきます。
打ち増し
打ち増しとは、既存のシーリングの上から新たに充填剤を注入して補修する方法です。既存のシーリングの撤去作業が不要なので、工事費用を抑えられます。
打ち替え
打ち替えとは、既存のシーリングを撤去して、新たに充填剤を注入して補修する方法です。既存のシーリングの撤去作業が必要なので、工事費用は高くなりますが、耐久性は上がります。
2-3 塗膜の劣化
塗膜が劣化した場合、再塗装して補修しなければなりません。外壁塗装では、基本的に3回塗りを行います。3回塗りをすることで、外壁の耐久性を上げられます。
マルキペイントでは下塗り2回、中塗り上塗りと行う4回塗りが標準工事となっております。
3.サイディング外壁の補修にかかる期間
サイディング外壁の補修にかかる期間について、以下の工事別に解説していきます。
シーリング補修
塗装
重ね張り
張り替え
それぞれの補修はいつから準備を行うか、また工事の内訳も詳しく説明します。
3-1 シーリング補修
シーリング補修にかかる期間の目安は、およそ5日間です。シーリング補修する際、施工する箇所によっては足場の設置が必要となります。補修前には、足場の設置に1日必要となるでしょう。
加えてシーリングの施工や点検に2~3日ほどかかり、足場の解体を合わせると5日間ほどの工事期間となります。
3-2 塗装
サイディングの塗装にかかる期間は、7~11日ほどです。塗装の前に、足場の設置や外壁の洗浄、下地処理が必要です。下準備に、1週間近くかかる場合もあることを覚えておきましょう。
下地処理まですんだら、塗装していきます。外壁を塗装する場合、塗膜の強度を上げるため、基本的に「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りを行います。
上塗りの塗装が完全に乾燥して、点検作業と足場の解体が終われば補修完了です。
3-3 重ね張り
サイディングの重ね張りにかかる期間は、12日ほどです。サイディングを重ね張りする前に、足場の設置や養生、下地処理を行います。下準備にはおよそ6日必要です。
下地処理がすんだら、サイディングを張りシーリングを施工します。最後に、点検と足場の解体が終われば補修完了です。
3-4 張り替え
サイディングの張り替えにかかる期間は、3週間~1カ月ほどです。サイディングを張り替える前に、足場の設置や既存の外壁材の撤去と解体、下地処理を行います。下準備には、11日ほどが必要です。
下地処理と防水シートの設置がすんだら、サイディングを張ってシーリングを施工します。最後に、点検と足場の解体が終われば補修完了です。
4.サイディング外壁の普段のメンテナンス方法
サイディング外壁の普段のメンテナンス方法は、主に以下の2つです。
掃除
外壁とシーリングの状態を目視でチェック
サイディング外壁は、モルタル塗装に比べて劣化しにくいです。しかし、定期的にメンテナンスしておくことで、劣化スピードをさらに遅らせることができます。
モルタル塗装は表面がデコボコとしているため汚れやすく、ひび割れしやすいというデメリットがあるのでメンテナンスや補修の頻度も多くなりますが、サイディングは簡単なメンテナンスで耐久性を維持できるため、扱いやすい外壁材と言えます。サイディング外壁のメンテナンス方法について、具体的にどのように行うか解説します。
4-1 掃除
サイディング外壁を日常的に掃除することで、カビやコケが生えるのを防ぎます。カビやコケは放置しておくと塗膜を劣化させて、雨漏りの原因となります。
また、日常的に掃除することで、美観も維持できるでしょう。
4-2 外壁とシーリングの状態を目視でチェック
外壁とシーリングに劣化症状が起きていないか、定期的に目視でチェックしましょう。定期的にチェックしておくことで、破損や劣化の症状に気づきやすくなり、迅速に補修できます。
5.まとめ
サイディング外壁は適切なタイミングで補修してメンテナンスすることで、耐久性を上げるだけでなく、耐用年数を維持できます。また、サイディングの破損やシーリングの劣化は、雨漏りや住宅内部の劣化原因となるため、早めに補修するようにしましょう。
さらに、日常的に掃除をしておくことで、塗膜の劣化を防いだり、外壁を美しく保てたりします。サイディングの美観や耐久性を維持できるかは、普段のメンテナンスや適したタイミングでの補修にかかっています。この記事を参考に、サイディングの補修のタイミングや方法をしっかり覚えておきましょう。
参考:
シーリングの重要性と耐用年数|株式会社児玉塗装
サイディングリフォーム工事の工期|リフォームジャーナル