2020.12.04
サイディングにはどんな種類がある?それぞれの特徴について詳しく解説!
外壁材のなかでも人気が高まっているサイディングには、素材別に種類があることをご存じですか? 外壁は建物の顔でもあるため、お気に入りの素材で仕上げたいものです。
この記事では、外壁材のサイディングの種類にはどんなものがあるのか、またそれぞれの素材の特徴について解説していきます。サイディングの種類と特徴について詳しく知っておくことで、外壁工事の際にどのタイプを選べばいいか判断しやすいでしょう。
1.サイディングとはどんな外壁材
サイディングとは、板状の外壁仕上げ材です。サイディングボードとも呼ばれ、サイズに合わせてカットして、外壁に張り付けて施工します。2015年の時点では、サイディングは国内の住宅で施工されている外壁材のうち、およそ80%を占めるという調査結果もあり、高いシェア率を誇っています。
軽量で施工しやすく、デザインが豊富で、耐久性や耐候性にも優れています。張り替えが必要になるまでの年数は25~30年ほどで、劣化状況に合わせて張り替えなければなりません。
サイディング以外の主な外壁材には、「モルタル」と「ALCパネル」があります。
モルタルは、セメントと砂を混ぜ合わせた外壁材で、塗装または吹き付けて仕上げます。モルタルは塗装後、吹き付けや左官仕上げなどでさまざまなデザインを施せます。耐用年数は30年ほどといわれています。
ALCパネルは、中に気泡があるコンクリートの外壁材で、原料はセメントや石灰などです。軽量で施工しやすく、耐久性や断熱性が高いという特徴があります。耐用年数は50年ほどとされ、外壁材のなかでも長い方です。
2.サイディングの種類
サイディングの種類には、以下の4つがあります。
窯業系
金属系
木質系
樹脂系
それぞれの素材の特徴や、価格などを詳しく解説していきましょう。
2-1 窯業系
窯業系サイディングは、セメントと木質系繊維を混ぜ合わせたサイディングで、2013年の調査によれば戸建住宅市場の外壁材シェア率80%ほどを占めています。レンガ調やタイル調など、デザインが豊富でお気に入りの外壁材が見つけやすいのが特徴です。また、耐火性にも優れているので、もし火事が起きてしまっても燃え広がるスピードを抑えられるでしょう。
窯業系サイディングの施工にかかる費用相場は、材料費を含めて1平米当たりおよそ9,000~9,500円ほどです。また、美観と防水性を維持するためにも、窯業系サイディングは5~10年に一度塗装する必要があります
2-2 金属系
金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミといった金属が素材のサイディングです。断熱性が高いので、省エネ効果も期待できます。金属系のような軽量な素材は、住宅への負担が少なく耐震性も高く、施工しやすいため、工期が短くてすみます。
金属系の素材なので、窯業系に比べると選べるデザインが少ないですが、施工費用の相場は1平米当たり8,000円ほどと安くなります。金属系サイディングは、およそ10~15年ごとに塗装が必要です。
金属はさびに弱いため、注意が必要です。塗装の剥がれやカビ、コケなどはさびの原因となって雨漏りを引き起こす可能性があります。定期的に外壁を点検して、劣化症状があれば早めに塗装したり掃除したりしてメンテナンスしましょう。
2-3 木質系
木質系サイディングは、松や杉などの耐久性の高い木材を使った板状の外壁材で、一枚板のタイプと複数枚を重ね合わせたタイプがあります。断熱性が高いため、省エネ効果が期待できます。
また、やわらかな木の風合いを楽しめるため、おしゃれな外壁材に仕上げたいという方に人気です。年月がたつにつれて、木材の色合いが変化するのも木質系建材の楽しみのひとつです。
木質系ですが、最近では不燃処理を施した製品も多いため、安心して施工できます。木質系サイディングの施工にかかる費用相場は、1平米当たりおよそ10,000円ほどです。しかし、不燃処理したタイプを施行する場合は、材料費が1平米当たり15,000円ほどと割高になります。
塗装は3~7年ごとに必要となるため、メンテナンス間隔がほかのサイディングの種類よりも短いです。
2-4 樹脂系
樹脂系サイディングは、北米で開発された塩化ビニル樹脂が素材のサイディングです。耐久性だけでなく、耐冷害性や耐塩害性も高く、寒冷地を中心に普及が広まっています。
塗装やコーキングを施工する必要がないため、メンテナンスが簡単です。さらに、軽量で燃えにくいという特徴もあります。
メリットが多い樹脂系ですが、認知度が低いためか日本でのシェア率は1%ほどといわれています。日本で販売が開始されたのが1996年ごろとまだまだ新しい製品なので、これから注目を集めていくことで人気も高まることでしょう。
樹脂系サイディングの施工費用の相場は、1平米あたり7,500円ほどです。
3.サイディングの塗装に使われる塗料の種類
サイディングの表面塗装に使われる塗料には、主に以下の4種類があります。
アクリル
ウレタン
シリコン
フッ素
それぞれの塗料の種類について、特徴や耐用年数を解説します。
3-1 アクリル
アクリル塗料は、発色が良く価格が安いのが特徴ですが、耐用年数が6~8年ほどと短いです。耐用年数が短いこと、また、最近は性能がいい塗料が開発されたことから、アクリル塗料は外壁塗装ではあまり使用されていません。DIY向きの塗料と言えます。
アクリル塗料の価格相場は、1平米当たりおよそ1,000~1,200円ほどです。
3-2 ウレタン
ウレタン塗料は、弾性が高いためひび割れしにくいという特徴があります。また、防水性が高く、木質系の外壁の塗装におすすめです。ただし、紫外線に弱く、変色しやすいというデメリットがあります。
耐用年数は8~10年ほどあります。ウレタン塗料の価格相場は、1平米当たりおよそ1,800~2,000円ほどです。
3-3 シリコン
シリコン塗料は耐久性や防汚性が高いため、屋根や外壁の塗装によく使われています。アクリルとシリコンを混ぜ合わせた塗料なら粘着力や弾性もあることから、外壁がひび割れしにくくなります。
シリコン塗料の価格相場は、1平米当たりおよそ2,500~3,500円ほどです。耐用年数は10~15年ほどあります。
アクリルやウレタンよりも価格が高いですが、その分機能性が高く耐用年数も長いため、最近は塗料に迷ったらシリコンを使うというケースが多いです。
3-4 フッ素
フッ素塗料は、合成樹脂が主成分の塗料で、耐用年数は15~20年とほかのタイプに比べて長いです。また、耐候性や低汚染性が高く、汚れにくいという特徴があります。塗料の種類のなかでも、飛び抜けて高い性能を持っています。
フッ素塗料の価格相場は、1平米当たり3,500~4,500円ほどです。価格は塗料のなかでも高価となりますが、耐用年数が長く機能性も高いため、トータルのメンテナンス費用は抑えられるでしょう。
▼サイディング外壁におすすめの塗料が知りたい場合はこちら→『機能別にみた一戸建てサイディングにおすすめの塗料は?』
4.まとめ
サイディング外壁材には、素材別に4つの種類があります。そのうち、外壁材のなかで最もシェア率が高い素材は、耐火性が高くデザインも豊富な「窯業系サイディング」です。
ほかの3つの種類の素材も、それぞれメリットやデメリットがあります。施工する住宅の雰囲気や、立地状況に合わせて、適した素材を選ぶようにしましょう。
また、サイディング外壁材を種類で選ぶ際は、素材の特徴だけでなく、質感をチェックすることも大事です。シンプルでシックに仕上げたい方は金属系を、おしゃれで優しい雰囲気の外壁をお望みであれば木質系がおすすめです。
サイディング外壁材は耐用年数が25~30年ほどありますが、劣化症状が起きていないか定期的に点検して、早めに塗装や補修し、メンテナンスするようにしましょう。
参考:
サイディングの張り替え周期とは|SUUMO
サイディング外壁の国内シェア率|リフォームジャーナル
外壁にまつわる耐用年数|塗装屋ぬりべえ
戸建住宅市場における外壁材素材別シェア|一般社団法人日本窯業外装材協会
窯業系サイディングのメンテナンスについて|一般社団法人日本窯業外装協会
塗装のマメ知識|一般社団法人日本住宅保全協会
木質系サイディングのデメリット|いえふく
外壁塗料の単価相場|外壁塗装の巧住建