塗料の種類をまとめて紹介!特徴から失敗しないための選び方まで

外壁塗装に使用される塗料には、様々な種類があります。
塗料の特徴を知らないまま外壁塗装をすると、期待したカラーに仕上がらなかったり、想像以上に早く塗装がはがれてしまったりするリスクが高まるでしょう。

そこで当記事では、塗装でよく用いられる8種類の塗料の特徴や耐用年数、失敗しないための塗料の選び方を解説します。

外壁を塗り替えると、自宅の印象が大きく変わります。美しい外壁塗装を行いたい人は、ぜひ参考にしてください。

1.塗装でよく使われる塗料の種類は?特徴と耐用年数も!

建物の外壁塗装に使用される塗料には、様々な種類が存在します。塗料の種類によって、塗膜・樹脂の特徴やグレード、耐用年数などが異なります。
自宅に合う塗料を選びたいときは、まず塗料ごとの特徴を押さえましょう。

ここからは、一般的によく用いられる8種類の塗料の特徴や費用相場などを解説します。

1-1.アクリル

アクリルの特徴は、くっきりとした発色のよさと価格の安さです。しかし、アクリルは紫外線に弱く、耐用年数が短いというデメリットもあります。近年はそれほど利用されていませんが、数年後に取り壊しの決まっている物件や、こまめに外壁塗装を塗り替えたい住宅などに利用されています。

耐用年数 5~7年
相場価格 約1,500円(1平方メートルあたり)

1-2.ウレタン

ウレタンは、アクリルに比べて防水性や耐水性に優れており、価格が安いことが特徴です。しかし、近年はシリコンが主流になり、ウレタンが外壁塗装に使われることはほとんどありません。とはいえ、木造の戸建て住宅を中心にウレタン塗料は利用されています。

耐用年数 8~10年
相場価格 約2,000円(1平方メートルあたり)

1-3.シリコン

シリコンは価格と機能のバランスが良く、現在広く使われている塗料です。ウレタンに比べて耐久性や耐候性に優れています。また、シリコン系塗料は豊富なカラーバリエーションがあるため、好みや用途に合わせて選ぶこともできます

耐用年数 12~15年
相場価格 約2,300~3,000円(1平方メートルあたり)

1-4.ラジカル

近年人気が高まっているラジカルは、太陽光や雨風による劣化を抑える機能が備わっています。日差しの強い地域や降雨量の多い地域などで、ラジカル塗料が外壁塗装に使用される傾向にあります。また、一般住宅だけではなく、ビルや倉庫の外壁に使用できることもラジカルの特徴です

耐用年数 13~15年
相場価格 2,500~3,000円(1平方メートルあたり)

1-5.フッ素

フッ素は、耐久性・耐候性・撥水性に優れているだけでなく、光沢感がある見た目も特徴です。しかし、価格がやや高く、汚れやすいことがデメリットとして挙げられます
ビルや大型施設の外壁にフッ素塗料はよく使用されますが、戸建て住宅の場合は屋根の塗装にフッ素塗料が適しています

耐用年数 15~20年
相場価格 3,500~4,000円

1-6.アポリテック

アポリテックは、環境に優しい高機能の塗料です。耐候性・耐水性・断熱性・防火性・耐久性が非常に高く、価格はフッ素の半額程度とコスパも優れています
アポリテックは、モルタル・コンクリート・金属などの外壁にも対応しており、一戸建てやビル外壁にも用いられています。

耐用年数 20~30年

1-7.エナメル

エナメルには、水で希釈した水性の塗料とシンナーで希釈した油性の塗料の2種類があります。水性のエナメル塗料は、シックハウス症候群の原因となる物質の放射量や塗料独特の臭いが少ないことが特徴です
また、エナメル塗料は乾きやすく伸びが良いことから、吹き付け塗装やハケ塗りでもきれいに仕上がります

耐用年数 7~10年

1-8.光触媒

光触媒は、太陽光や雨などの自然の力を活用し、汚れを分解して洗い流す性能がある塗料です。自然環境に配慮しているだけでなく、耐久性・抗菌性も非常に優れています。ただし、太陽光が当たる場所でなければ、光触媒の特徴を発揮することはできません

耐用年数 10~15年
相場価格 5,000~5,500円

2.塗料の選び方

外壁塗装で失敗しないためには、塗料の特徴を踏まえて、自宅の状況に合う塗料を選ぶことが大切です。しかし、「どのようにして塗料の種類を選べばよいのかわからない」という人もいるでしょう。

ここからは、6つのポイント・目的別・用途別の塗料の選び方を説明します。

2-1.基本の6つのポイントで選ぶ

外壁塗装工事を実施する際は、6つのポイントがあります。
外壁塗装に使う塗料に迷っている人は、下記の6つのポイントから考えてみましょう。

  • ①予算
    外壁塗装にトータルでいくらまでなら支払えるのか、外壁塗装工事の予算を考え、予算の範囲内に収まる塗料を探すことが塗料選びのコツです
  • ②範囲
    どの範囲を塗装するかによって、適切な塗料は変わります。外壁のみ、あるいは屋根・雨どいを含むのかなど、塗装する部分と塗装しない部分を明確にしましょう
  • ③機能
    塗料には、防汚性・撥水性・防汚性など様々な機能があります。どの機能を重視するのか、あらかじめ決めておけば、スムーズに塗料を選ぶことができます
  • ④カラー
    外壁や屋根のカラーは、住宅の印象を大きく左右します。
    施工業者に色見本や完成シミュレーションの図などを見せてもらい、各塗料のイメージを掴むことをおすすめします
  • ⑤修繕箇所
    塗装と修繕を別々に実施すると、工事が二度手間になり、費用も高くなります。せっかく行った塗装工事がやり直しとならないよう、塗装工事の際は修繕が必要な箇所もチェックし、適切な塗料を選びましょう
  • ⑥メンテナンス周期
    メンテナンス周期を把握することは、急な出費を抑えることにつながります。使用する塗料によってはこまめな塗り替えが必要となるケースもあるため、塗料の耐用年数によるメンテナンス周期も確認しましょう

2-2.目的別で選ぶ

「なぜ外壁塗装を行うのか」という目的に合わせて塗料を選ぶ方法もあります
下記に、目的別の具体例をいくつか紹介します。

目的/美しさにこだわりたい
おすすめの塗料 光沢感のある塗料
防汚性に優れた塗料
備考 光沢感やツヤの出せる塗料を選ぶと、美しい外壁に仕上げられます。また、防汚性にも着目すると、外壁の美観を維持できます。
目的/暑さや寒さを軽減したい
おすすめの塗料 断熱性能のある塗料
備考 塗料の中には、断熱性能の高い種類もあるため、カタログなどでチェックしましょう。
目的/雨漏りを防ぎたい
おすすめの塗料 防水性が高い塗料
備考 ウレタンやアクリルなど、防水に優れた樹脂を使用する塗料は、雨漏り防止に効果的です。

2-3.色で選ぶ

塗料の色は、塗料を選ぶときの基本の6ポイントの1つでもありますが、後悔のない外壁塗装にするためにはさらに踏み込んで検討する必要があります。
色を基準に塗料を選ぶ際は、「彩度」と「明度」が重要となります

彩度 塗料の彩度を低くすると、落ち着いた印象になります。塗料の彩度を高くした場合は、鮮やかな外壁となり、インパクトを与えられます。
明度 塗料の明度を高くすれば軽やかな清潔感を、塗料の明度を低くすればどっしりとした重厚感を演出することができます。

なお、塗料のカラーを色見本で確認する際は、色見本と実際の色が異なる点に注意してください。実際の住居は色見本よりも面積が広いため、色の印象が強く出ます。そのため、希望のイメージよりも1トーンほど落とした色を選ぶと、希望に近い外壁のカラーとなるでしょう

塗料には様々な種類があるように、塗料の選び方にもいくつか種類があります。
外壁塗装を行う目的を明確にしたうえで、自分に合う選び方で最適な塗料を決めましょう。

まとめ

「塗料」と一口に言っても、外壁塗装に使われる塗料には多くの種類があります。以前はアクリル・ウレタンなどがよく使われていましたが、現在は高機能で環境に配慮した光触媒・ラジカルなどの新しいタイプの塗料も人気です。

塗料の選び方で迷った際は、当記事で紹介した塗料の選び方をぜひ参考にしてください。工事の予算や塗装範囲、外壁塗装の目的、カラーなど、あらゆる要素から最適な塗料を絞り込むことは可能です。

自宅の状況や希望する条件などを踏まえて、自分に合う塗料を選びましょう。

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