外壁タイルの特徴や種類を知ってメンテナンスコストを抑えよう!
建物の外壁は雨風にさらされ日々劣化するため、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。ただし建物の外壁のメンテナンスには、職人さんが作業するための足場設置などの工事が必要であり、建築物の規模に比例してさまざまなコストがかかります。
またメンテナンスコストは、外壁に使用されている素材によって異なります。なかには機能性やデザインを売りにしている外壁用タイルも存在します。
今回は、外壁に使用されるタイルの特徴と種類、メンテナンスが必要なタイミング、メンテナンスコストを抑える方法について詳しく解説します。
目次
1.外壁タイルの特徴3つ
外壁タイルの素地は、石や土や粘土などの無機質な材質です。粉砕した石や粘土で形状を作り、1000~1300℃の高温で焼き固めて作ります。
そうしてできたタイルに共通する特徴が、「デザイン性の高さ」「優れた機能性」「初期費用が高額」の3つです。
ここでは、それぞれの特徴について詳しく解説します。
1-1.①デザイン性が高い
タイルを使用した外壁の最大の魅力は、デザイン性が高く高級感のある外観に仕上がることでしょう。タイルのデザインには、シンプルなものや模様の入った凝ったもの、レンガのような素朴なものまでさまざま種類があります。
どのようなタイルを外壁に選んでも、その風格や重厚感は他の素材とは一味違った仕上がりとなるでしょう。またタイル周りの目地は、モルタルで埋めて施工するため、立体感や存在感のあるおしゃれな仕上がりとなります。
○タイルのデザイン性の特徴
- ・さまざまなデザインがあり、好みのデザインを選べる
- ・格調高く高級感がある
- ・立体感のあるおしゃれな仕上がり
1-2.②機能性に優れている
機能性に優れている点もタイルの特徴の一つです。特に耐久性の高さは特筆すべきでしょう。石や粘土を高温で焼き固めたタイルは、非常に硬い素材であり、経年劣化することがほとんどありません。
水や傷にも強く、耐震テストにクリアしたタイルであれば、大きな地震が来ても安心できます。万一破損した場合も、一枚一枚個別に貼りつけているため、部分的に補修が出来ることもローメンテナンスと言われる所以です。もちろん、メンテナンスフリーというわけにはいきませんが、他の素材と比較してメンテナンスの頻度はグッと下がります。
○タイルの機能性の特徴
- ・無機質な素材のため、傷つきにくく経年劣化しにくい
- ・部分的な補修ができる
- ・耐震性が高く地震が来ても安心
- ・メンテナンスの頻度が少なく済む
1-3.③初期費用が高い
前述したように外壁タイルは一枚一枚個別に貼りつけて施工するため、費用相場が高くなりがちです。他の外壁素材と比べた場合、外壁タイルの欠点が初期費用にかかる負担が大きいことです。しかし、外壁タイルには初期費用は高くとも、その後のメンテナンスにかかる費用は、他の素材と比べて少額で済むというメリットがあります。
運悪く施工した業者や職人の腕が悪い場合や、地震などの災害で浮きや剥がれなどが発生してしまう可能性は否定できません。そういった場合には、定期メンテナンスとは別に都度メンテナンスは必要となります。長い目で見れば、他の素材と比べてもコスト的にはさほど高額には感じないでしょう。
○タイルの費用の特徴
- ・初期費用の負担が大きい
- ・職人の腕や災害でメンテナンスが必要となることもある
- ・メンテナンス費用が少ないため、長い目で見れば高額ではない
2.外壁に使用されるタイルの種類
外壁に使用されるタイルは、素材や形、サイズの違いによって、数多くの種類が存在します。当然ながらそれぞれの違いによって、耐久性やどういった場所の使用に適しているかが異なります。
ここでは、素材、形状、サイズの3つの項目別にタイルの特徴について解説します。
①素材の違い
▼磁器
焼く温度 | 1250度以上 |
特徴 |
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用途 | 外壁 |
▼せっ器
焼く温度 | 1200度前後 |
特徴 |
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用途 | 外壁 |
▼陶器
焼く温度 | 1000度以上く |
特徴 |
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用途 | 内壁 |
②形状の違い
▼平物タイル
形状 | 正方形又は長方形で平面状 |
その他特徴 | 最も一般的なタイル |
▼ユニットタイル
形状 | 平物タイルを複数並べて連結 |
その他特徴 | 施工しやすい |
▼役物タイル
形状 | 縁が曲がった特殊な形状 |
その他特徴 | 開口部、角や隅などに使用 |
③サイズの違い
▼小口平タイル
形状 | 積レンガのいちばん小さな面のサイズと同じ108mm×60mm |
その他特徴 | 最近は使用が減少 |
▼二丁掛タイル
形状 | 小口平タイル2つ分で、積レンガの側面と同じ227mm×60mm |
その他特徴 | 素材の質感を出しやすい |
▼ボーダータイル
形状 | 二丁掛タイルの高さの半分の227mm×30mmが基本。 |
その他特徴 | アクセントとして使用 |
▼50角タイル
形状 | 目地を合わせると50mm角となる45cm角の正方形 |
その他特徴 | 300mm×300mmのシート状が多い。施工しやすく工費が安い。マンションに多く使用。 |
▼45二丁タイル
形状 | 50角タイルを2枚並べた45mm×95mmのタイル |
その他特徴 | 300mm×300mmのシート状が多い。施工しやすく工費が安い。マンションに多く使用。 |
3.外壁タイルのメンテナンスが必要なタイミング
外壁タイルは機能性・耐久性が高いため、メンテナンスは年単位の間隔で行えば問題ありません。だからといって、日々の手入れを疎かにしていい、というわけではありません。
お手入れの基本は洗浄です。特別なことをする必要はありません。年に数回水洗いをして、ブラシやスポンジ等で汚れをきちんと落としさえすれば、それで充分です。
最後にタイルを使用した外壁で、メンテナスが必要となるタイミングやメンテナンス方法を紹介します。
3-1.タイルの下地が劣化したとき
外壁タイルのメンテナンスが必要なタイミングとしてはまず、タイルの下地の劣化があげられます。古くから外壁タイルの施工は湿式工法で施工されており、下地はモルタル材です。モルタルには乾いて硬化すると伸縮しなくなるため、劣化しやすくなる特徴があります。
○どのような状況?
モルタルの目地部分が劣化して隙間やひび割れができている状態です。隙間から雨水が侵入し、モルタルに含まれる水酸化カルシウムが溶け出した状態を「エフロレッセンス」と呼びます。この状態で放置しておくと、さらにタイルの浮きや剥がれなどの深刻な状態におちいり雨漏りの危険性も高まるため、早目の処置が必要です。
○メンテナンス方法
目地の隙間やひびが小さい場合は、エポキシ樹脂で塞いで、モルタルを増し打ちすることで対処できます。
3-2.タイルが浮いたり剥がれたりしたとき
タイル下地の劣化症状を放置したままにしておくと、タイルが浮いたり剥がれたりします。雨風や寒暖差などの過酷な自然環境の結果、目地材への接着が弱くなってしまうことが浮きや剥脱の原因です。
○どのような状況?
目地からタイルが浮いたり剥がれかけたりしている状態です。放置しておくと突然の剥落により、怪我などの二次被害に繋がる可能性もあります。
○メンテナンス方法
タイルが剥がれかかったり、すでに剥がれたりしている場合、剥がれかかったタイルをすべて剥がして、モルタルで張り直す必要があります。
タイルの軽い浮き程度であれば、タイルを剥がすことなく工事が可能です。
該当部分の目地に穴を開けて、エポキシ樹脂を注入することで隙間を埋めて接着性を高め、上からモルタルで仕上げれば完成です。
3-3.目地のコーキングが劣化したとき
無機質であるタイルはほとんど劣化することのない丈夫な素材ですが、目地コーキングは有機物であるため、劣化は避けられません。経年劣化に加え、紫外線や雨風や夏の暑さ等によって、よく持って7年程度で傷みだすと言われています。
○どのような状況?
タイル同士の隙間や窓のサッシ部分に使用したコーキングが劣化して、ひび割れを起こしています。コーキングには地震などが建物に与える衝撃を吸収する役割があるため、コーキング材の劣化は建物全体にとって非常に危険な状態です。
○メンテナンス方法
建築後10年おきを目安に、外壁コーキングの打ち替えと呼ばれるメンテナンスを行いましょう。
まとめ
外壁タイルの魅力は何と言ってもその高級感とデザイン性の高さです。耐久性も高く、メンテナンスの手間やコストが少なくて済むという点も外壁タイルを選ぶ際のポイントとなります。
主なデメリットは、新築の際の工事費用が高額となることです。しかし、長期的なコストとして見た場合、他の壁材はメンテナンス費用がかかるため、結果的には大きな差がなかったり、かえって安くなったりするケースも見られます。
メンテナンスフリーと言われる外壁タイルですが、もちろん日々の手入れや年間隔の定期的なメンテナンスは必要です。
所持物件の外壁に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
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